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「ウエスト・サイド・ストーリー」@109シネマズ川崎

映画

公開3週目の月曜日夕方。シアター2の客入りは30名弱位だ。
映画の話
夢や成功を求め、多くの移民たちが暮らすニューヨークのウエスト・サイド。 だが、貧困や差別に不満を募らせた若者たちは同胞の仲間と結束し、各チームの対立は激化していった。 ある日、プエルトリコ系移民で構成された“シャークス”のリーダーを兄に持つマリアは、対立するヨーロッパ系移民“ジェッツ”の元リーダーのトニーと出会い、一瞬で惹かれあう。この禁断の愛が、多くの人々の運命を変えていくことも知らずに…。

映画の感想
現代の技術を使い精巧に作られた旧作のような不思議な作品だ。
監督は私の大好きなスティーブン・スピルバーグであるが、スピルバーグらしさはそれほど感じず、今回は職人に撤した印象だ。
唯一、スピルバーグらしさを感じたのは光と影の使い方だ。
頭上からの引きの絵でジェッツとシャークのメンバーが向かい合うシーンの長い影や、キャストの眼だけに照明を当てるシーンなど、監督らしい絵作りが随所に有った。

物語は61年公開の名作「ウエスト・サイド物語だけに、監督はあえて余計な手を加えず、観客の望む形で本作をリメイクした様に思う。
幕開けからセリフをほとんど使わず、歌とダンスだけで魅せるミュージカル映画らしい演出でグイグイと観客を惹きつけ、テンションを落とさず最後まで観客の心を離さない監督の演出は健在だ。
素晴らしいダンスシーンの連続で鳥肌が立つ位だ。

しかし、残念な事にオリジナル版でポスターやチラシで使われた有名な足上げのダンスシーンが無かった事は悔やまれる。
それと作品自体は素晴らしいがキャストがマリアとアニータとチノ以外、線の細いスマートな俳優ばかりでキャラが立っていない事も惜しい。オリジナル版のジョージ・チャキリスリタ・モレノ位のキャラの立ったキャスティングが望まれる所だ。

本作はオープニングにスタッフ、キャストのクレジットが無くわからなかったが、エンドロールで製作総指揮にオリジナル版のアニータ役のリタ・モレノの名前を発見し「まだ、生きていたんだ・・・」なんて呑気に思っていたら、なんとキャストで雑貨屋のおばあさんバレンティーナがリタ・モレノ本人だった事に一番驚いた。若い時のお顔しか知らなかったので全然判らなかった。

まぁ、それにしても元々いい素材だけに、よっぽど下手な監督でなければ駄作になる訳がない。
シェークスピア原作「ロミオとジュリエット」を大胆に現代に置き換え、ミュージカルに仕立て上げた先人のアイディアは今でも秀逸であり、オリジナル版で数々の名曲を書いた作曲家レナード・バーンスタインの功績は大きい。
改めて本作を見てミュージカル映画のすばらしさを再認識した、見てよかった!!

Tracked from 象のロケット at 2022-03-19 17:45
タイトル : ウエスト・サイド・ストーリー
アメリカ、ニューヨークのウエスト・サイド・マンハッタン。 ヨーロッパ系白人不良少年グループ“ジェッツ”リーダーのリフと、プエルトリコ系有色人種不良少年グループ“シャークス”リーダーのベルナルドは、縄張り争いの決着をつけようとしていた。 そんな時、リフの親友で仮出所中のトニーは、ベルナルドの妹マリアと恋に落ちる…。 ラブストーリー・ミュージカル。... more
Tracked from ここなつ映画レビュー at 2022-03-21 10:47
タイトル : 「ウエスト・サイド・ストーリー」
私にとっての試金石。 本作、スピルバーグ版の「ウェスト・サイド・ストーリー」については、既に沢山の方が感想を書いていらっしゃるので、ここでは作品そのものというよりも、私の個人的な思いについてつらつらと書かせていただこうと思っている。 私はミュージカルに対して親和性が低い。「親和性が無い」と言い切ってもいい位だ。これまで結構な数のミュージカル映画を観てきたが、印象に残っているのは「CHICAGO」「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」「ラ・ラ・ランド」位なものである。あれ?結構ハマっているじゃん?…いや...... more
Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2022-03-22 15:53
タイトル : 『ウエスト・サイド・ストーリー』トーホーシネマズ日本橋2
『ウエスト・サイド・ストーリー』トーホーシネマズ日本橋2 ▲山本リンダに憑依されてそうな3人。 五つ星評価で【★★★非日常を煽る手法】 ロバート・ワイズ版はおそらく20年以上前に見てるので、もう記憶もかなりあやふやなのだが、比較するならワイズ版の方が好みかもしれない。 とは言え、スピルバーグ版の凄さが分からない訳ではない。 何かもう、歌とダンスと絵とそれぞれグレードアップしてる。圧巻の感...... more
Tracked from 或る日の出来事 at 2022-03-23 07:41
タイトル : 「ウエスト・サイド・ストーリー」
歌そのものは前作と同じだが、アレンジは変わり、歌われる場(シチュエーション)が違うものも。「クール」なんて、まるで新しくて、こっちもいい。リタ・モレノさんの存在は、オマージュ的にもメッセージとしても効いているよね。... more
by d73b445add192d2f | 2022-03-02 18:49 | 映画館2022 | Trackback(4) | Comments(0)

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by masala